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-新6号館の基本コンセプトは

「Commons for Communication

 (交流を生み出すための共有施設)」ですが、

 そこにはどんな思いが込められていますか?

 

高校までと違って、大学にはホームルームのような「決まった居場所」がありません。人がいろいろと動き回っています。そんな中で、以前は掲示板が大学から学生への重要な連絡手段となっていました。しかし、掲示板の役割は単に情報を流す手段にとどまりませんでした。そこは偶然人が集まり、情報交換をし、交流が生まれる場所だったのです。

 

成蹊大学でも掲示板をWeb化したことに象徴されるように、現在、情報はその情報が宛てられた人、その情報を必要とする人に直接送り届けられるようになりつつあります。人々が何となく集まる機会も減っています。学生たちが、偶然友人に会ったり、思いがけない情報を目にしたりする場が失われつつあるのです。でも、本当にそれでよいのでしょうか?

 

自分がほしいと思っている情報だけを手に入れ、会いたいと思う人に会うだけでいいのだろうか。昔は携帯電話もネットもなくて不便だったかわり、当たり前のようにあった偶然誰かと出会う場、何かと出会う場を、今は意識的につくりだしていかなければならないと考えました。そのために新6号館は、多くの人に集まってもらえる場、情報交換ができる場にしたいと思っています。そこにいけば思いがけない人と出会える、思いがけない情報を手に入れられる、そういう期待に満ちた場所にしたいと思い、コンセプトを「Commons for Communication」としました。

成蹊大学 文学部教授

見城武秀さん

-新6号館を学生にどのように活用してほしいですか?

 

授業や部活動などの合間の空き時間に気楽に立ち寄ったり、他の人に向けて情報を発信したりしてほしいです。

 

たとえば、サークル活動やゼミでやっている活動の発表などでも使ってほしいですね。公園でやっている大道芸のように、たまたまそこを通りかかった人が興味を持って、集まってくるような場所になるといいですね。学生には集まる方としても、集める方としても新6号館を活用してもらいたいと思います。また、学生同士だけでなく、教職員や卒業生、地域住民など、大学の内外のさまざまな人との交流も生まれる場になってほしいです。

 

-新6号館に関して学生たちに伝えたい思いはありますか?

 

大学では自分が知らないこと、関心を持っていないことに目を向け、視野や世界を広げていくことが大切です。現代では自分が関心のないことを知らなくてもなんとかなってしまいます。しかし、大学は在籍する学生の数も教職員の数も所蔵されている本の数も高校までとくらべて桁違いに多く、実に多様な人や情報が存在しています。その多様性の中に身を投げ入れることによって自分の世界を広げようと思ってもらいたいです。

 

そういう意味で、新6号館という空間をうまく使いこなしてほしい。新6号館にいけば何かやっているかもしれない、何か体験したことのないことに触れられるかもしれないという好奇心を持って利用してほしいですし、新6号館にはそうした学生の好奇心を刺激するような場所になってほしいと思います。

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